あなたの愛に包まれて
次の日、匡祐は剣持の案内で千晃の仕事部屋に向かった。
千晃の隣にいるときは普段着だった匡祐も、企業のトップとしてふさわしいスーツ姿で千晃の部屋へ足を踏み入れる。

財閥が解散しても現在の様々な部門が一企業として生き残れるようにと準備が山ほどある。
昔からのつてを頼り、匡祐も一緒になり剣持と動き出していた。

千晃の父も自宅から手をまわしている。

剣持が千晃の部屋を開けて、匡祐を招き入れようとするとき匡祐は一度足を止めた。

千晃が一人で頑張ってきた部屋。
深呼吸をして足を踏み入れると力のちぎり絵が目に入った。

「お嬢様はいつもこの部屋でこの絵を見ていました。」
「・・・」
匡祐は力が千晃に贈ったひまわりのちぎり絵の前に立った。
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