あなたの愛に包まれて
「すこし・・・眠りたい・・・」
そう言って目を閉じる千晃に匡祐と剣持は再び目を覚まさないのではないかと心配になる。
匡祐は千晃の手を握って離さなかった。

そして一時間がたったころ、千晃は再び目を覚ました。

それから剣持と匡祐は千晃に眠っていた間の話をした。

千晃の父が病室へ来たこと。
千晃の手を握りながら千晃に話しかけていた日々のこと。

財閥を解散したこと。

千晃はどの話にも驚いていた。

時々涙を流しながら千晃は匡祐と剣持の話を聞いていた。
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