あなたの愛に包まれて
「ここからまた、はじまめられるんだよな。」
匡祐が千晃を見た。

生きている限り、何度だってスタートをきることができる。

「そうだね」
「千晃。」
「ん?」
匡祐が千晃の方を見る。

自分の手を握っていた千晃の手に匡祐は自分の胸ポケットから出した指輪をはめた。

千晃の瞳に再び涙があふれる。

それは二人の結婚指輪だった。

千晃がずっとネックレスにして身に着けていた指輪。
事故のあといつか千晃が目覚めたらこうしようと匡祐がずっと預かっていた。
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