あなたの愛に包まれて
心溶かされて
「千晃、俺やるから」
匡祐がキッチンへ立つ千晃に声をかける。
「大丈夫。」
千晃が寝ぐせ頭の匡祐を見て微笑みながら返事をする。

千晃が退院して半年。
リハビリの成果もあり千晃は体力も徐々に回復をして、指先に力もこもるようになってきていた。

退院してからすぐ匡祐と一緒に暮らしていた千晃。

先日もう一度結婚指輪をお互いの指にはめ、今日も千晃の左手の薬指には匡祐とおそろいの指輪が光っている。

千晃は自分が眠っていた間の神崎財閥に関連していた会社の現在の状況を剣持から聞き、財閥のころお世話になっていた企業への挨拶へ回ったり、現在も存続する企業のアドバイザーとなっていた。
体調と相談をしながら無理なく仕事をしている。

匡祐は可能な限り千晃が自宅でできない仕事の時には付き添っていた。
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