あなたの愛に包まれて
「今日は俺の勝手に付き合わせてごめん。」
「いえ。楽しかったです。」
「本当に?」
匡祐の言葉に千晃は生き生きと返事をする。
「私、ゆびきりげんまんしたの初めて。」
「え?はじめて?」
「はいっ!うれしくて。約束守らなきゃ、次行くときは誘ってくださいね?一人で行かないでくださいね?」
「ははっ」
匡祐が声を出して笑った姿に千晃ははっとした。恥ずかしそうに肩をすぼめる。
「やっぱり、あなたでよかった」
匡祐の言葉に千晃は簡単に胸が高鳴る。

「じゃあ、俺ともゆびきりげんまん」
そう言って匡祐が千晃の前に自分の手を出す。
千晃は一瞬戸惑ってから自分の小指を絡めた。
ごつごつとして骨ばった大きな手の匡祐。
「手、ちっさ」
千晃の細くて白い指が絡む。
二人は次に会う約束をして会社に戻った。
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