あなたの愛に包まれて
ねぇ、匡祐。
私はあの日あなたの手の温かさに涙が出そうだった。

私がずっと求めていた世界はこの手の中にあると確信した瞬間だったの。

あなたとみる世界は私にとってきらきらと輝いていて、モノクロだった世界が一瞬にして色づいた。同時にいままで感じなかった温度を感じられるようになったの。

あなたは私の枯れた心に潤いや太陽のような光を与えてくれた。




ねぇ、匡祐。
あなたが今見ている景色はちゃんと色づいてる?

悲しみに打ちひしがれていたあなたの世界はいま、あの色とりどりのちぎり絵のように鮮やかさを取り戻した?

私の世界はまたモノクロに戻りかけている・・・。

この世界の鮮やかさを忘れてしまう前に、わずかに感じる温かさを感じなくなる前に、もう一度あなたに会いたい。
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