あなたの愛に包まれて
「お嬢様!」
たくさんの人に囲まれながら千晃はボディガードに誘導されて会場の中に何とか入った。
ぎゅうぎゅうに体を押されながら担当者に案内されるがままについていくと、用意された控室についた。

必要最低限の付き人だけが控室に入りあとの取り巻きも控室の入り口で待機している。


部屋に入った千晃はやっと愛想笑いを辞める。

大きく深呼吸しながら歩きにくいヒールの靴を脱いだ。

やっと息ができる・・・。


深呼吸を何度か繰り返してからはだしのまま椅子に座った。

「本日のパーティーはお嬢様が主役ですよ?しっかりなさってください。」
幼いころから千晃の専属秘書として指導役をしている剣持がスケジュール帳を片手に話を始めた。
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