あなたの愛に包まれて

「この後は東京に戻りいくつかのマスコミの取材が入っています。」
助川が匡祐に伝えると匡祐は助川に力なく微笑んだ。
「・・・取材まで、一時間ほど余裕があります。」
「ありがとう」
匡祐は助川の言葉に感謝を告げた。

匡祐は東京に帰ってから自分で運転をしてある場所へ向かっていた。

「ご面会ですか？」
「はい。まだ、大丈夫ですか？」
匡祐は自分の腕時計を見る。
「大丈夫ですよ。」

そこは母が入院している病院だった。

『コンコン』
病室の扉をノックして部屋に入ると一人の女性が窓の外を見ていた。