あなたの愛に包まれて
「15分後には会場に入っていただきます。用意したご挨拶をお読みいただきますからね?そこでお嬢様のご婚約発表となります。」
「・・・」
「聞いていますか?」
千晃が鏡の中の自分をぼーっと見ていると剣持は声を大きくした。
「お嬢様!」
「聞いてます・・・」
「福山家とのご婚約でわが神崎財閥は安泰です。国内を代表する3大財閥の福山財閥と神崎財閥のご子息がご婚約されるのですから。お嬢様?お分かりですか?」
「・・・はい」
剣持の声がさらに大きくなっても千晃はぼーっと鏡の中の自分を見つめていた。
そこにいるのが本当の私なの?
私の心はどこに行ってしまったの?
私の心だけでもこの肉体から旅立って自由に歩けているのかしら?
そんなイメージを膨らませながら千晃なりに現実を受け入れようとしていた。
「・・・」
「聞いていますか?」
千晃が鏡の中の自分をぼーっと見ていると剣持は声を大きくした。
「お嬢様!」
「聞いてます・・・」
「福山家とのご婚約でわが神崎財閥は安泰です。国内を代表する3大財閥の福山財閥と神崎財閥のご子息がご婚約されるのですから。お嬢様?お分かりですか?」
「・・・はい」
剣持の声がさらに大きくなっても千晃はぼーっと鏡の中の自分を見つめていた。
そこにいるのが本当の私なの?
私の心はどこに行ってしまったの?
私の心だけでもこの肉体から旅立って自由に歩けているのかしら?
そんなイメージを膨らませながら千晃なりに現実を受け入れようとしていた。