あなたの愛に包まれて
匡祐は事件を知り仕事をキャンセルして病院へ向かっていた。
マスコミに追われているのは匡祐も同じだ。
会社から急いで病院へ向かうときも報道陣が邪魔で思うように車を動かせなかった。
ハンドルを握る匡祐が「くそっ!」と感情的になると助川が突然車から降りた。
車の前方に向かい「どけなさい!緊急です!どけなさい!」と匡祐が進めるように報道陣をかき分けてくれた。
匡祐に助川が視線を送る。匡祐は小さく頭を下げて車を走らせた。

千晃の事件で匡祐が仕事をキャンセルしたいと口にする前に助川は匡祐の仕事を電話で調整してくれた。

心強い秘書だと匡祐は改めて感じながら千晃のいる病院へ車を走らせた。

病院の入り口にも報道陣がたくさんいた。
匡祐はこの病院の裏口を知っている。そこは母が入院している病院だった。

裏口から病院の中へ入るとそこには剣持が立っていた。
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