あなたの愛に包まれて
大丈夫かと聞いたら絶対に千晃は大丈夫という。でも本当は全然大丈夫なんかじゃないはずだ。

匡祐は千晃の頬触れてから、そっと自分の唇を千晃の唇に重ねた。


こんなことをしても千晃の孤独は埋まらないとわかっている。

でも今は自分の分けられるものを千晃になんだって分けれるものなら分けたい。

支えになりたい。力になりたい。守りたい。


どうしようもなく千晃を愛している自分の気持ちを止められなかった。
千晃もはじめは驚き体に力を込めたが、すぐに匡祐の背中に手をまわし、瞳を閉じた。


お互いの心の闇も、孤独も、分かちあう二人。
孤独を分かち合うことができた夜。
二人の愛が動き出した。
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