I love you and world!
国の人たちがお菓子を作っているところを想像し、私は頰を緩ませながら調べ続ける。

「これケーキ屋さんで食べたことある!」

「ザッハトルテっておいしかったよ。ぜひみんなに食べてもらいたいな」

そんな話をしながら調べていく。そして話し合いの結果、私たちは、パラチンケという薄く焼いたクレープのようなハンガリーのスイーツを作ることになった。

「作るの楽しみだね!」

そう話す私たちは、すっかりメモのことなど忘れていた。



十月。私は部活に行くのが楽しみだけど、少し怖いと思うようになっていた。

「ねえ、またメモ挟んであった?」

私が部室に入って訊ねると、部室にいた全員が頷く。私は大きくため息をついた。

初めてメモが挟んであった日から、部活がある時には必ずメモが挟まっているようになっている。その内容は、毎回違う。

「アニメ同好会なんて、くだらない」

「さっさと廃部になれ!!」

最初のうちは、こんな風に部活に対する悪口だった。しかし、最近は少し変わってきている。
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