25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
「家電だよ。」


「えっ?」


「年賀状のやり取りしてるって言ったろ。ウチの年賀状は、家電の番号載せてるだろ?」


そうだった。


「急に彼女から電話が掛かって来て、驚いた。どうしたんだと聞いたら、折り入って相談したいことがあるって。」


相談・・・?


「少しお時間、いただけませんかと言われたんで、彼女の都合に合わせて、夕方に会った。」


隆司さんは、まっすぐ私を見て、そう言った。


「場所はここじゃないけど、やっぱりファミレスで。お子さんは2人で留守番してるって言ってたな。1時間程話して、それで彼女を家まで送った。まさにその途中を、君に見られたっていうことだ。全くタイミングがいいと言うか、悪いと言うか。」


そこで、一緒苦笑いを浮かべた隆司さんは、でもすぐに表情を引き締めた。


「それが全てだ。彼女とは、その前はもちろん、その後も会ってない。信じてくれ。」


「連絡は?取ってるの?」


「携帯番号とメールアドレスは、会った時に交換した。その相談を受けて、やり取りする必要があったから。」


「なんの相談だったの?」


そう尋ねる私に


「すまない、それは言えない。」


と苦しげに答える隆司さん。


「なんで?」


「プライバシーに関わることだから・・・。」


「いくら昔の上司ー部下の関係でも、10年以上ぶりに再会して、すぐにプライバシーに関わる相談受けるなんて、おかしくない?」


「・・・。」


そう聞いた私の言葉に、隆司さんは答えてくれない。そこで


「携帯見せてよ。」


「えっ?」


「メールのやり取りしてるんでしょ?やましくなかったら、見せられるよね?」


「だから、内容は俺からは、例え君にでも、漏らすわけにはいかないよ。」


ここで会話が途切れる。
< 118 / 156 >

この作品をシェア

pagetop