25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
⑤
結局ほとんど眠れないまま、朝を迎えてしまった俺は、とりあえずシャワーを浴びようと寝室を出た。
前夜、妻は寝室に入っては来なかった。1人にしてくれという俺の言葉を、受け止めてくれたのだろう。
1階に降りて行くと、キッチンから音が聞こえて来る。妻が朝食の準備をしているのだろう。俺は、そんな彼女に声を掛けることなく、浴室に入った。
シャワーを浴び終え、身支度を整えて、ダイニングに入ると、既にテーブルにはきれいに朝食が並べられ、妻が項垂れたように座っている。
「おはよう。」
俺のその声に、ハッと顔を上げて、振り返った妻の顔には、明らかに泣き腫らした跡が。恐らく彼女もほとんど寝てないのだろう。
「おはよう・・・ございます。」
いつもは明るく「おはよう」と返してくれるのに、俯いておどおどと、といった様子で応える妻。そんな彼女を正視出来ないでいると
「隆司さん、あの・・・。」
とまた、跪いて謝罪の態勢に入るから慌てて
「清司は?」
と尋ねる。その俺の問いに、妻は悲しそうに首を振る。
「そうか・・・。」
やはり次男は帰って来なかったようだ。大人になったとは言え、母親の不倫というショッキングな事実を受け入れることは、簡単ではないのだろう。
「じゃ、行って来る。」
「身体に触るから、朝食をちゃんと・・・。」
「すまん、食欲がない。せっかく用意してくれたのに。」
そう言って、出掛けようとする俺に
「ごめんなさい。」
とまた深々と頭を下げる妻。
「とにかく今晩、キチンと話をしよう。だから・・・あまり、思い詰めないでくれ。」
憔悴しきっている妻を、これ以上見ていられなくて、俺は逃げるように会社へ向かった。
前夜、妻は寝室に入っては来なかった。1人にしてくれという俺の言葉を、受け止めてくれたのだろう。
1階に降りて行くと、キッチンから音が聞こえて来る。妻が朝食の準備をしているのだろう。俺は、そんな彼女に声を掛けることなく、浴室に入った。
シャワーを浴び終え、身支度を整えて、ダイニングに入ると、既にテーブルにはきれいに朝食が並べられ、妻が項垂れたように座っている。
「おはよう。」
俺のその声に、ハッと顔を上げて、振り返った妻の顔には、明らかに泣き腫らした跡が。恐らく彼女もほとんど寝てないのだろう。
「おはよう・・・ございます。」
いつもは明るく「おはよう」と返してくれるのに、俯いておどおどと、といった様子で応える妻。そんな彼女を正視出来ないでいると
「隆司さん、あの・・・。」
とまた、跪いて謝罪の態勢に入るから慌てて
「清司は?」
と尋ねる。その俺の問いに、妻は悲しそうに首を振る。
「そうか・・・。」
やはり次男は帰って来なかったようだ。大人になったとは言え、母親の不倫というショッキングな事実を受け入れることは、簡単ではないのだろう。
「じゃ、行って来る。」
「身体に触るから、朝食をちゃんと・・・。」
「すまん、食欲がない。せっかく用意してくれたのに。」
そう言って、出掛けようとする俺に
「ごめんなさい。」
とまた深々と頭を下げる妻。
「とにかく今晩、キチンと話をしよう。だから・・・あまり、思い詰めないでくれ。」
憔悴しきっている妻を、これ以上見ていられなくて、俺は逃げるように会社へ向かった。