25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
重い足を引きずりながら、我が家の玄関の前に立った俺は、ドアを開く勇気が出ず、ため息を吐きながら、立ち尽くした。
今日の会社での俺は、何人もの部下を指揮、監督する立場のアラフィフ男としては、情けないの一言だった。
正直、妻を疑ったことなど、今まで一瞬たりともなかった。それは長い結婚生活、喧嘩もいっぱいしたし、気まずかった時期もあったが、出会った高校1年のあの時から、ずっと俺を一途に思ってくれていると信じていた。
それだけにショックは激しかった。自分を保つことが全く出来ず、あまりに普段の自分とは違う姿をさらしてしまい、部下達に多大な迷惑と心配を掛けてしまったのは、醜態としか言いようがなかった。
体調がお悪いのでしたら、今日は早めに上がって下さい。まさか醜態の真の理由など言えるはずもなく、これ以上の迷惑を周りに掛けない為には、俺はその部下達の心遣いを受け取って、早々に帰宅するしかなかった。
でもまっすぐ帰ることも出来ずにフラフラしながら、結局いつもより1時間近く遅くなって、俺はようやくドアを開いた。
「ただいま。」
力ない俺の声を聞いて、妻がリビングから転がるように飛び出して来る。
「お帰りなさい。」
そう言うやいなや、俺の前に跪く妻。
「よかった、帰って来てくれないのかと思ってた。帰って来てくれてありがとう。」
そう言って涙を流す妻を見るのが耐えられなくて、俺はまた子供に逃げる。
「清司は?」
「帰って来ました。でも・・・一言も口もきかずに、そのまま部屋に・・・。」
悲しそうに報告する妻。
「そうか・・・ここじゃなんだから、行こう。」
そう言うと俺は、リビングに向かって歩き出した。
今日の会社での俺は、何人もの部下を指揮、監督する立場のアラフィフ男としては、情けないの一言だった。
正直、妻を疑ったことなど、今まで一瞬たりともなかった。それは長い結婚生活、喧嘩もいっぱいしたし、気まずかった時期もあったが、出会った高校1年のあの時から、ずっと俺を一途に思ってくれていると信じていた。
それだけにショックは激しかった。自分を保つことが全く出来ず、あまりに普段の自分とは違う姿をさらしてしまい、部下達に多大な迷惑と心配を掛けてしまったのは、醜態としか言いようがなかった。
体調がお悪いのでしたら、今日は早めに上がって下さい。まさか醜態の真の理由など言えるはずもなく、これ以上の迷惑を周りに掛けない為には、俺はその部下達の心遣いを受け取って、早々に帰宅するしかなかった。
でもまっすぐ帰ることも出来ずにフラフラしながら、結局いつもより1時間近く遅くなって、俺はようやくドアを開いた。
「ただいま。」
力ない俺の声を聞いて、妻がリビングから転がるように飛び出して来る。
「お帰りなさい。」
そう言うやいなや、俺の前に跪く妻。
「よかった、帰って来てくれないのかと思ってた。帰って来てくれてありがとう。」
そう言って涙を流す妻を見るのが耐えられなくて、俺はまた子供に逃げる。
「清司は?」
「帰って来ました。でも・・・一言も口もきかずに、そのまま部屋に・・・。」
悲しそうに報告する妻。
「そうか・・・ここじゃなんだから、行こう。」
そう言うと俺は、リビングに向かって歩き出した。