25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
その後は、ホテルでひとときを過ごし、穂乃果をマンションまで送り、最後の別れを惜しんで、彼女の部屋を出たのは、20時過ぎのことだった。
建物を出た途端、真冬の厳しい空気が容赦なく、俺を包む。その冷気にフッと我に返ったように、俺は携帯を取り出すと、妻に連絡をする。所謂「帰るコール」という奴だ。
『もしもし。』
待ちわびていたと言わんばかりに、すぐに妻の声が携帯から響いて来る。
『お疲れ様、終わったの?』
「ああ。」
『土曜日なのに、こんな時間まで。いつも家族の為にありがとうね。』
「・・・。」
『外、寒いでしょ。』
「ああ。」
『カレー作ったよ。お部屋もウンとあったかくしとくから、早く帰って来てね。』
「わかった、ありがとう・・・。」
そう言って通話を終えた俺は、そのまま呆然と立ち尽くした。
携帯から聞こえて来る妻の声は、いつものように明るくて、屈託なくて。本当は、今日俺が何をしていたかなんて疑いは、つゆほどにも持ってないのは、間違いなかった。彼女の言葉からは、俺への愛と信頼しか伝わって来なかった。
(俺はこんな所で、何をしてるんだ・・・。)
夢から覚めたような、急に現実に返ったかのような感覚を俺は覚えていた。
(朱美!)
次の瞬間、俺は夢中で駆け出していた。とにかく妻に会いたかった。
建物を出た途端、真冬の厳しい空気が容赦なく、俺を包む。その冷気にフッと我に返ったように、俺は携帯を取り出すと、妻に連絡をする。所謂「帰るコール」という奴だ。
『もしもし。』
待ちわびていたと言わんばかりに、すぐに妻の声が携帯から響いて来る。
『お疲れ様、終わったの?』
「ああ。」
『土曜日なのに、こんな時間まで。いつも家族の為にありがとうね。』
「・・・。」
『外、寒いでしょ。』
「ああ。」
『カレー作ったよ。お部屋もウンとあったかくしとくから、早く帰って来てね。』
「わかった、ありがとう・・・。」
そう言って通話を終えた俺は、そのまま呆然と立ち尽くした。
携帯から聞こえて来る妻の声は、いつものように明るくて、屈託なくて。本当は、今日俺が何をしていたかなんて疑いは、つゆほどにも持ってないのは、間違いなかった。彼女の言葉からは、俺への愛と信頼しか伝わって来なかった。
(俺はこんな所で、何をしてるんだ・・・。)
夢から覚めたような、急に現実に返ったかのような感覚を俺は覚えていた。
(朱美!)
次の瞬間、俺は夢中で駆け出していた。とにかく妻に会いたかった。