25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
その夜、夫は普段通りの時間に帰って来た。
「お帰りなさい。」
私もいつも通り、玄関で夫を迎える。
「ただいま。」
そう言って、玄関に上がった夫に
「すぐ、食べるでしょ?」
と問う。
「あ、ああ。」
「じゃ、用意しとくから。」
「・・・。」
「今朝は・・・ゴメンね。」
「朱美・・・。」
「あなたがちゃんと仕事に行ってるのに、私だけ仕事を放棄するなんて、許されないもんね。」
そう言って、私は懸命に笑顔を作る。
「とりあえず、お夕飯食べよう。清司は・・・当分正司の所にいるって。」
「そうか・・・。」
「じゃ、待ってるから。」
夫は力なく笑いながら頷くと、着替えに2階に上がって行く。その後ろ姿を見ながら、私の作り笑顔も消えて行く。
夫がダイニングに降りて来て、二人きりの夕食。いただきます、いつものように夫はそう言って、箸を持つけど、その手は料理に伸びて行かない。しばらくは知らん顔で、私は食べていたけど
「食べないの?」
「・・・。」
「食欲ない?それとも・・・私の作った料理なんて、もう喉を通らない?」
「そんなこと、ないよ。」
私の切なそうな声に、夫は慌てて頭を振る。
「じゃ、食べて。私だって・・・食欲ないよ。でも、このままじゃ2人共倒れちゃう。だから、お願いだから食べて。その後、ちゃんと話そう。私達は、お互いを裏切り合った。もうその事実は決して消すことは出来ない。だから・・・それに逃げずに向き合って、これからどうするかを、どうしたいかを話そう。」
「そう、そうだな。」
夫は頷くと、ようやく箸を動かし始める。黙々と箸を進める私達。夫の好きなナイター中継の音が、その沈黙を誤魔化すように、虚しく響いていた。
「お帰りなさい。」
私もいつも通り、玄関で夫を迎える。
「ただいま。」
そう言って、玄関に上がった夫に
「すぐ、食べるでしょ?」
と問う。
「あ、ああ。」
「じゃ、用意しとくから。」
「・・・。」
「今朝は・・・ゴメンね。」
「朱美・・・。」
「あなたがちゃんと仕事に行ってるのに、私だけ仕事を放棄するなんて、許されないもんね。」
そう言って、私は懸命に笑顔を作る。
「とりあえず、お夕飯食べよう。清司は・・・当分正司の所にいるって。」
「そうか・・・。」
「じゃ、待ってるから。」
夫は力なく笑いながら頷くと、着替えに2階に上がって行く。その後ろ姿を見ながら、私の作り笑顔も消えて行く。
夫がダイニングに降りて来て、二人きりの夕食。いただきます、いつものように夫はそう言って、箸を持つけど、その手は料理に伸びて行かない。しばらくは知らん顔で、私は食べていたけど
「食べないの?」
「・・・。」
「食欲ない?それとも・・・私の作った料理なんて、もう喉を通らない?」
「そんなこと、ないよ。」
私の切なそうな声に、夫は慌てて頭を振る。
「じゃ、食べて。私だって・・・食欲ないよ。でも、このままじゃ2人共倒れちゃう。だから、お願いだから食べて。その後、ちゃんと話そう。私達は、お互いを裏切り合った。もうその事実は決して消すことは出来ない。だから・・・それに逃げずに向き合って、これからどうするかを、どうしたいかを話そう。」
「そう、そうだな。」
夫は頷くと、ようやく箸を動かし始める。黙々と箸を進める私達。夫の好きなナイター中継の音が、その沈黙を誤魔化すように、虚しく響いていた。