25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
「信じてた。あなたが私を裏切ったことがあったなんて、考えたこともなかった。ゴメンね、自分のこと、棚に上げてって言われちゃうだろうけど。でも本当に信じてた・・・。」
「・・・。」
「あの頃に比べたら、比じゃないけど、でも今だって、たまには残業あるよね?土日に友達と遊びに行くって、1人で出掛けることもあるよね?今まで、なんとも思わなかった、25年間。でも、これからはたぶん無理。ひょっとしたら・・・って、疑心暗鬼を抑えられないと思う。」
「・・・。」
「逆にあなたはどう?自分が会社に行って、仕事をしてる間、朱美の奴、また馬鹿なことしてねぇだろうなって、絶対に思わない自信ある?子供達が完全に手を離れて、これからは少し友達と旅行でもって、思ってたけど、私がそう言った時、あなたは何の疑いも持たないで、送り出せる?」
そう言って、私は夫を見つめる。しかし夫は、少しうつむき加減に、視線を逸らすだけだった。
「隆司さん。離れてみて、私、改めてわかった。私はあなたのことがやっぱり好きなんだって。だけど・・・これ以上、一緒にいたら、私はそんなあなたを、ずっと信じられないで、疑いながら、暮らさなきゃならない。そして、あなたに疑われながら、生きて行かなくちゃならない。それは、それだけは・・・私は耐えられない。悲し過ぎるよ、そんな夫婦生活。悲しいけど、辛いけど、私達はもう一緒にいるべきじゃないと思う。」
それは、考えに考え抜いた末の、私の結論だった。溢れ出る涙を止める術もなく、止めるつもりもないまま、私は夫を見つめた。
重苦しい沈黙が訪れた。何も口を挟むことも出来ず、次男は唇を噛み締め、私は夫の言葉をジッと待った。
どのくらい、時が経ったのだろう。
「その結論は、もうお前の中で、揺るぐことはないのか?」
ようやく、夫がそう言葉を発した。真っすぐにこちらを見る夫に、私はゆっくりと首を縦に振った。それを見て、息を呑む次男。
「わかった。済まないが、もう一晩だけ時間をくれ。」
そう静かに言うと、夫は席を立った。
「・・・。」
「あの頃に比べたら、比じゃないけど、でも今だって、たまには残業あるよね?土日に友達と遊びに行くって、1人で出掛けることもあるよね?今まで、なんとも思わなかった、25年間。でも、これからはたぶん無理。ひょっとしたら・・・って、疑心暗鬼を抑えられないと思う。」
「・・・。」
「逆にあなたはどう?自分が会社に行って、仕事をしてる間、朱美の奴、また馬鹿なことしてねぇだろうなって、絶対に思わない自信ある?子供達が完全に手を離れて、これからは少し友達と旅行でもって、思ってたけど、私がそう言った時、あなたは何の疑いも持たないで、送り出せる?」
そう言って、私は夫を見つめる。しかし夫は、少しうつむき加減に、視線を逸らすだけだった。
「隆司さん。離れてみて、私、改めてわかった。私はあなたのことがやっぱり好きなんだって。だけど・・・これ以上、一緒にいたら、私はそんなあなたを、ずっと信じられないで、疑いながら、暮らさなきゃならない。そして、あなたに疑われながら、生きて行かなくちゃならない。それは、それだけは・・・私は耐えられない。悲し過ぎるよ、そんな夫婦生活。悲しいけど、辛いけど、私達はもう一緒にいるべきじゃないと思う。」
それは、考えに考え抜いた末の、私の結論だった。溢れ出る涙を止める術もなく、止めるつもりもないまま、私は夫を見つめた。
重苦しい沈黙が訪れた。何も口を挟むことも出来ず、次男は唇を噛み締め、私は夫の言葉をジッと待った。
どのくらい、時が経ったのだろう。
「その結論は、もうお前の中で、揺るぐことはないのか?」
ようやく、夫がそう言葉を発した。真っすぐにこちらを見る夫に、私はゆっくりと首を縦に振った。それを見て、息を呑む次男。
「わかった。済まないが、もう一晩だけ時間をくれ。」
そう静かに言うと、夫は席を立った。