25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
ひとしきり泣き、ようやく落ち着いた私は、明日に備え、シャワーを浴び、寝室に入った。
ベッドの上に座り、ボヤッと物思いにふけっていると、ノックの音がした。
「俺だ、入ってもいいか?」
「うん。」
夫だった。私の不倫が発覚して以降、私達は今日まで寝室を別にして来た。
「最後に話がしたくて。明日には他人になる男となんて、と思うなら正直に言ってくれ。」
入って来て、そう言った夫に私が静かに首を振ると
「ありがとう。」
と言って、私の横に腰掛ける。
「済まなかったな、全部言わせてしまって。」
「聞いてたの?」
「と言うか、聞こえた。あの声に気付かないなら、どんな大邸宅なんだよ。」
そう言って笑う夫の胸に、次の瞬間、私は飛び込んでいた。
「隆司さん!」
そんな私を夫はしっかり抱き止めてくれる。
私達はしばし抱き合っていたが、やがて私は夫の腕の中から、夫を見上げた。
「これで・・・よかったんだよね?これしかなかったよね?」
「残念ながら。」
必死に問い掛ける私に、顔を歪めて、夫は答える。
「時間を巻き戻して、何も知らない時に戻りたいと思った。いや、君を裏切る前に、いやそれ以前に出会うべきじゃなかったのかな?」
そう自嘲気味に言う夫に
「そんなこと言わないで。私はあなたに出会って、あなたを愛し、あなたに愛されて幸せだった。後悔なんかしてない、後悔してるのは、それを貫けなかった自分の愚かさと弱さだけ。」
と私は訴える。
「朱美・・・ありがとう。そして、本当に済まなかった。俺が、全てをぶち壊したんだ。」
そして、また苦渋に満ちた表情を浮かべる夫。
「こんなことを言う資格はないんだろうが、とにかく、これからの君の幸せを祈ってる。俺に出来ることは何でもする。だから・・・困ったことがあったら、必ず相談して欲しい。この通りだ。」
そう言って、頭を下げる夫。
「ありがとう、でもなるべく、そういうことにならないように頑張る。」
私は笑顔でそう答える。
「あと・・・これもどの面下げてと、言われるかもしれないけど・・・もし気になる相手が出来たら、知らせて欲しい。君を幸せに出来る男かどうか、確かめたいから。」
なんて、遠慮がちに言う夫に
「それはないな。」
「えっ?」
「もう一度、結婚考えるくらいなら、あなたと別れないよ。」
「朱美・・・。」
「あなたと添い遂げられなかったんだもん、もう結婚は無理。コリゴリだよ。」
そう言った私に、夫は思わず、視線を逸らした。
「隆司さん。」
「えっ?」
「最後のお願い、聞いてくれるかな?」
その言葉に、夫はまた私に視線を戻す。
「今夜は、このまま一緒にいて。さすがに抱かれるわけにはいかないけど、最後に一緒にいたい。一緒のベッドで、あなたのぬくもりを感じて眠りたい。」
そう訴えた私に
「君が望んでくれるなら、喜んで。」
そう言って、夫は優しく微笑んでくれた。
ベッドの上に座り、ボヤッと物思いにふけっていると、ノックの音がした。
「俺だ、入ってもいいか?」
「うん。」
夫だった。私の不倫が発覚して以降、私達は今日まで寝室を別にして来た。
「最後に話がしたくて。明日には他人になる男となんて、と思うなら正直に言ってくれ。」
入って来て、そう言った夫に私が静かに首を振ると
「ありがとう。」
と言って、私の横に腰掛ける。
「済まなかったな、全部言わせてしまって。」
「聞いてたの?」
「と言うか、聞こえた。あの声に気付かないなら、どんな大邸宅なんだよ。」
そう言って笑う夫の胸に、次の瞬間、私は飛び込んでいた。
「隆司さん!」
そんな私を夫はしっかり抱き止めてくれる。
私達はしばし抱き合っていたが、やがて私は夫の腕の中から、夫を見上げた。
「これで・・・よかったんだよね?これしかなかったよね?」
「残念ながら。」
必死に問い掛ける私に、顔を歪めて、夫は答える。
「時間を巻き戻して、何も知らない時に戻りたいと思った。いや、君を裏切る前に、いやそれ以前に出会うべきじゃなかったのかな?」
そう自嘲気味に言う夫に
「そんなこと言わないで。私はあなたに出会って、あなたを愛し、あなたに愛されて幸せだった。後悔なんかしてない、後悔してるのは、それを貫けなかった自分の愚かさと弱さだけ。」
と私は訴える。
「朱美・・・ありがとう。そして、本当に済まなかった。俺が、全てをぶち壊したんだ。」
そして、また苦渋に満ちた表情を浮かべる夫。
「こんなことを言う資格はないんだろうが、とにかく、これからの君の幸せを祈ってる。俺に出来ることは何でもする。だから・・・困ったことがあったら、必ず相談して欲しい。この通りだ。」
そう言って、頭を下げる夫。
「ありがとう、でもなるべく、そういうことにならないように頑張る。」
私は笑顔でそう答える。
「あと・・・これもどの面下げてと、言われるかもしれないけど・・・もし気になる相手が出来たら、知らせて欲しい。君を幸せに出来る男かどうか、確かめたいから。」
なんて、遠慮がちに言う夫に
「それはないな。」
「えっ?」
「もう一度、結婚考えるくらいなら、あなたと別れないよ。」
「朱美・・・。」
「あなたと添い遂げられなかったんだもん、もう結婚は無理。コリゴリだよ。」
そう言った私に、夫は思わず、視線を逸らした。
「隆司さん。」
「えっ?」
「最後のお願い、聞いてくれるかな?」
その言葉に、夫はまた私に視線を戻す。
「今夜は、このまま一緒にいて。さすがに抱かれるわけにはいかないけど、最後に一緒にいたい。一緒のベッドで、あなたのぬくもりを感じて眠りたい。」
そう訴えた私に
「君が望んでくれるなら、喜んで。」
そう言って、夫は優しく微笑んでくれた。