25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
10分くらい経って、店長に断って休憩に入った私は、店の前でスマホをいじっている長男に声を掛けた。
「お待たせ。」
その声に、顔を上げた長男は優しい笑顔をくれる。
「大丈夫なの?」
「うん、ちょっと座って話そう。」
本当は一緒にお昼を食べたいんだけど、社員食堂は当然、部外者は立入禁止だし、勤務中では、他のお店に入るわけにもいかない。私達はパブリックスペースの椅子に腰掛けた。
「ちょっと見てたんだけど、楽しそうに仕事してんじゃん。」
「そう?」
「なんかイキイキしてるように見えた。」
「家に居たころは死んでた?」
「そんなことはないけどさ。でも前のスーパーの時も、すぐにパートリーダーになってたし、母さんは本当は外で働いた方が良かったのかもしれないな。」
そんなことを言う長男に私は首を振る。
「お仕事はもちろん嫌いじゃないけど、私は家庭に入ったことを後悔したことなんかないよ。あんた達の成長を日々見られたのは、母親の特権だったんだから。」
「それは・・・ありがとうございます。」
なんて言って、頭を下げる長男に思わず笑ってしまう。
「あんたの方はどうなの?」
「忙しいよ。でもやり甲斐はあるし、充実してる。俺も仕事好きだから。」
「なら良かった。でも・・・無理はしちゃダメだよ。」
「わかってる。忙しいって言ったって、昔の父さん程じゃないから、大丈夫。」
そう言って笑う長男の顔に、フッと隆司さんの面影がよぎり、思わずドキッとしてしまう。慌てて話題を変えようと
「家の方は大丈夫だった?」
と聞いてみると
「やっぱり気になる?」
「まぁね。」
イタズラっぽい表情で聞き返して来る長男に、私は気のないような返事をして見せる。
「あのコンビじゃ、家の中、どうなってるんだろうって、俺も恐る恐る入ったんだけど、意外とちゃんとしてたよ。」
「そっか・・・まぁそろそろ1ヶ月だもんね。多少は成長してもらわないと。」
そう言いながら、私はホッとしたような、ちょっと寂しいような、複雑な気持ちになった。
「お待たせ。」
その声に、顔を上げた長男は優しい笑顔をくれる。
「大丈夫なの?」
「うん、ちょっと座って話そう。」
本当は一緒にお昼を食べたいんだけど、社員食堂は当然、部外者は立入禁止だし、勤務中では、他のお店に入るわけにもいかない。私達はパブリックスペースの椅子に腰掛けた。
「ちょっと見てたんだけど、楽しそうに仕事してんじゃん。」
「そう?」
「なんかイキイキしてるように見えた。」
「家に居たころは死んでた?」
「そんなことはないけどさ。でも前のスーパーの時も、すぐにパートリーダーになってたし、母さんは本当は外で働いた方が良かったのかもしれないな。」
そんなことを言う長男に私は首を振る。
「お仕事はもちろん嫌いじゃないけど、私は家庭に入ったことを後悔したことなんかないよ。あんた達の成長を日々見られたのは、母親の特権だったんだから。」
「それは・・・ありがとうございます。」
なんて言って、頭を下げる長男に思わず笑ってしまう。
「あんたの方はどうなの?」
「忙しいよ。でもやり甲斐はあるし、充実してる。俺も仕事好きだから。」
「なら良かった。でも・・・無理はしちゃダメだよ。」
「わかってる。忙しいって言ったって、昔の父さん程じゃないから、大丈夫。」
そう言って笑う長男の顔に、フッと隆司さんの面影がよぎり、思わずドキッとしてしまう。慌てて話題を変えようと
「家の方は大丈夫だった?」
と聞いてみると
「やっぱり気になる?」
「まぁね。」
イタズラっぽい表情で聞き返して来る長男に、私は気のないような返事をして見せる。
「あのコンビじゃ、家の中、どうなってるんだろうって、俺も恐る恐る入ったんだけど、意外とちゃんとしてたよ。」
「そっか・・・まぁそろそろ1ヶ月だもんね。多少は成長してもらわないと。」
そう言いながら、私はホッとしたような、ちょっと寂しいような、複雑な気持ちになった。