25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
翌日、店長室に赴いた私は、退職届を提出した。その時の内藤の唖然とした表情は忘れられない。
それはそうだろう。自分の胸で、離婚を誓い、意気込んで帰って行ったはずの女が、一夜にして豹変し、自分に別れを突きつけて来たのだから。
パートと言えども、退職届を出したら、ハイさよならと言うわけにはもちろんいかない。残務整理等もあり、私はそのあと2週間勤務した。
その間、何度となく内藤は、私を口説きに掛かった。休日に呼び出されたことも、仕事帰りに話をしようと言われたこともあったが、私は
「自分が間違っていたことに気付きました。やっぱり、あなたと一緒の道は歩めません。ごめんなさい。」
と頭を下げた後は、会うことも話すこともノーを貫いた。
そして退職。私は古巣となったスーパーに一切足を運ばなくなった。買い物の利便性という意味では痛かったが、パートリーダーでありながら、仕事を放り出すように辞めた負い目と、なんと言っても内藤に会いたくなかったから。
だけど私は恐れていた。私自身は内藤の連絡先などは全て消去したが、その時はすぐに携帯を変えたわけではないから、向こうから連絡が来る可能性は充分あったし、俺とのことを夫に暴露するぞと脅される危険性も感じていた。
しかし、それ以降、内藤が私に接触してくることはなかった。そして2年後、彼が新たな任を得、あの店を去って行ったと聞いた時、私は心底胸を撫で下ろした。
全ては終わった、その安堵感だった。あとは黒歴史として、あのことは葬り去ればいい、そう思った。
なのに、あの男は再び私の前に現れた。それは偶然なのか?偶然だ、あの男もそう言っていた。
前の店に用事があって、たまたま帰って来たあの男と、たまたま会ってしまった。ただそれだけなんだ、深く考える必要はない。そうだよ、もう4年も前のことじゃない・・・。
それはそうだろう。自分の胸で、離婚を誓い、意気込んで帰って行ったはずの女が、一夜にして豹変し、自分に別れを突きつけて来たのだから。
パートと言えども、退職届を出したら、ハイさよならと言うわけにはもちろんいかない。残務整理等もあり、私はそのあと2週間勤務した。
その間、何度となく内藤は、私を口説きに掛かった。休日に呼び出されたことも、仕事帰りに話をしようと言われたこともあったが、私は
「自分が間違っていたことに気付きました。やっぱり、あなたと一緒の道は歩めません。ごめんなさい。」
と頭を下げた後は、会うことも話すこともノーを貫いた。
そして退職。私は古巣となったスーパーに一切足を運ばなくなった。買い物の利便性という意味では痛かったが、パートリーダーでありながら、仕事を放り出すように辞めた負い目と、なんと言っても内藤に会いたくなかったから。
だけど私は恐れていた。私自身は内藤の連絡先などは全て消去したが、その時はすぐに携帯を変えたわけではないから、向こうから連絡が来る可能性は充分あったし、俺とのことを夫に暴露するぞと脅される危険性も感じていた。
しかし、それ以降、内藤が私に接触してくることはなかった。そして2年後、彼が新たな任を得、あの店を去って行ったと聞いた時、私は心底胸を撫で下ろした。
全ては終わった、その安堵感だった。あとは黒歴史として、あのことは葬り去ればいい、そう思った。
なのに、あの男は再び私の前に現れた。それは偶然なのか?偶然だ、あの男もそう言っていた。
前の店に用事があって、たまたま帰って来たあの男と、たまたま会ってしまった。ただそれだけなんだ、深く考える必要はない。そうだよ、もう4年も前のことじゃない・・・。