25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
それから、仕事が終わるまでの間、私の心の中にモヤモヤしたものが生じていたのは、間違いない。
「課長」、渋谷さんは間違いなく、隆司さんにそう呼び掛けていた。一方の隆司さんは、彼女の旧姓と思われる名前を呼んでいた。
だけど、すぐに定時になり、渋谷さんは
「お先に失礼します。」
と私に言い、隆司さんにも一礼すると、帰って行った。
「昔の部下なんだよ、驚いたなぁ。」
渋谷さんに会釈を返したあと、本当に驚きを隠せない様子で、隆司さんは言う。
「ところで、君も定時で上がれそう?」
「うん。」
「じゃ、待ってるから食事しよう。」
私が頷くと
「終わったら、携帯鳴らして。」
と言って、サッと手を上げると、隆司さんも店を出て行く。その後ろ姿を私は、不安な気持ちで見送る。
『やっぱり、そうだったんだ・・・。』
ポツリとそう呟いた渋谷さんの言葉が、私の心をかき乱していた。
やがて、私も定時になり、私も店を出た。急いで、着替えると、隆司さんに電話をする。
『終わった?』
「うん。」
ツーコールで出た隆司さんに聞かれて、私は頷く。
『通用口の近くで、待ってるから。』
「わかった。」
そして、通用口を出ると、すぐに笑顔の隆司さんが目に入る。
「ごめんね、待たせちゃって。」
「お疲れ様。じゃ、さっそく行こうか。」
そう言うと、隆司さんはサッと私の手を取って、歩き出す。知ってる人に見られてるかもと、ちょっと恥ずかしかったけど、でもなんかその温もりに、ホッとしていた。
「課長」、渋谷さんは間違いなく、隆司さんにそう呼び掛けていた。一方の隆司さんは、彼女の旧姓と思われる名前を呼んでいた。
だけど、すぐに定時になり、渋谷さんは
「お先に失礼します。」
と私に言い、隆司さんにも一礼すると、帰って行った。
「昔の部下なんだよ、驚いたなぁ。」
渋谷さんに会釈を返したあと、本当に驚きを隠せない様子で、隆司さんは言う。
「ところで、君も定時で上がれそう?」
「うん。」
「じゃ、待ってるから食事しよう。」
私が頷くと
「終わったら、携帯鳴らして。」
と言って、サッと手を上げると、隆司さんも店を出て行く。その後ろ姿を私は、不安な気持ちで見送る。
『やっぱり、そうだったんだ・・・。』
ポツリとそう呟いた渋谷さんの言葉が、私の心をかき乱していた。
やがて、私も定時になり、私も店を出た。急いで、着替えると、隆司さんに電話をする。
『終わった?』
「うん。」
ツーコールで出た隆司さんに聞かれて、私は頷く。
『通用口の近くで、待ってるから。』
「わかった。」
そして、通用口を出ると、すぐに笑顔の隆司さんが目に入る。
「ごめんね、待たせちゃって。」
「お疲れ様。じゃ、さっそく行こうか。」
そう言うと、隆司さんはサッと私の手を取って、歩き出す。知ってる人に見られてるかもと、ちょっと恥ずかしかったけど、でもなんかその温もりに、ホッとしていた。