守る理由。
自分で考えて悲しくなっているんだから忍びないな、なんて思ってしまう。

しかしあれは一体何なのだろうか…こっちには目も向けず歩いているし…いや、僕の姿が見えていないのかもしれない。

そう思いながら、少しホッとしながらも歩く。



『…ここ、か。』



言われた通り左ではなく右へ曲がり、少し奥へ進む。

するとそこには…一つのガラスケースが、寂しくぽつんと置かれていた。



『…警備とかがあるとかではないのに…こんな所にあっても良いのかな…。』



そう呟きながら、そのガラスケースの中を見る。

…そこには、一つの青く輝く宝石のようなものが中心にある、ネックレスが置いてあった。

そのネックレスは…とても美しく…見るものの目を魅了する、とは正にこのことだな…なんて他人事のように思ってしまう。

でも、そのくらいには魅力的なネックレスで。


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