守る理由。
『す、すみませんでした!!』



そう言いながら、走って逃げる。



〈待て!!〉



なんて叫び声とともに追い掛けてくる“何か”。

勘弁して欲しいのは、僕はそこまで足が早くないというか。

しつこいくらいにはなるが、僕は平凡なのだ。



何でこうなっちゃうのかなぁ…!?



自分でもどうしてこうなったかなんて分からず、混乱する頭をどうにか働かせながらもさっきのところへ向かい走る。

確かあの女性は、元々乗っていたエレベーターの方へ走れと言っていたはずなのだ。

捕まる前に行かなくては、僕に未来はない…平凡な直感がそう言っている。

つまり、誰でも危機に感じるくらいには、危ない状態なのだ。



『つ、い、た…!!!』



そう叫びながら、一気にエレベーターの元へ向かって…足を踏み出した。


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