守る理由。

煌「…動かない証拠って…?」



お願い煌くん、それ以上は聞かないでっ…



海燈「…悠の持ってる端末から、その情報が出て来ちゃったんだよ。」



…彼の口から出るその言葉に、頭を鈍器で殴られるような感覚がする。

数ヶ月前、僕の端末から出て来た、“動かぬ証拠”。

それは、身に覚えのないことでしかなくて。

それでも、どう弁解しても、みんな証拠を信じるばかり…僕の言葉を信じてくれる人なんて、何処にも居なかった。



空夢「ほんっとクズ、あんだけ愛想振り撒いておいて裏ではあんなこと思ってたんだから。」

響花「何であんな奴と仲良かったのか、ほんと意味分かんない!」

響生「正直、幻滅したよね…。」

研次「あんな奴、友達でも仲間でも何でもねぇよな。」



ああ、何だろうか、この感覚は。



海燈「ほんとにね…璃奈さんもそう思うでしょ?」



…答えないでくれ、と、願っていたのに。


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