守る理由。
「いや、良い…それより、あんたは、」



彼がそこまで言いかけたところで、すぐに黙り込む。

そして何を思ったのか、僕の手を取り…ネックレスに、触れさせた。

その途端…何故か、ネックレスが淡く光り出す。



『…え…?』

「…やはりな。」



そう言った彼は、すぐに手を離し…その場にしゃがみ込んで…僕の手を下から取った。

まるでそれは、王子様がお姫様に手を差し出すかのような…



「…ずっとあんたを探していたんだ。」

『…え?』



そこまで言うと、彼は…僕の手の甲に、優しく口付けをした。






「あんたは必ず俺が守る。」






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