守る理由。
…口付け、意味の分からない台詞…それは、考えることを放置していた僕の頭をパンクさせるには十分だった。



え、何!?何事!?どうしてイケメンが僕に跪きながら必ず守るとか言ってるの!?これは何かの少女漫画!?又は何かの恋愛ゲーム!?こんなシチュエーションが平凡過ぎるちょっとしたいじめられっ子な僕に起こっていいの!?最近有名で人気なモブイン的なあれですか!?僕にそれは需要がないなあ!?



心の中が大荒れになりながらも、それを表に出すことのないようポーカーフェイスを保つ努力をする。

僕は平々凡々とした女子高生なのだ、美形な彼にときめいてしまうのも仕方がないと言える。

言い訳?自覚はある。



『…いや、えっと、あの…?』

「…分からないか…仕方ない、説明を…」



そこまで言った彼は、目の色を変え…取ったままの手を引っ張り、僕を背に隠した。



『え…!?』

「下がっていろ!」


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