守る理由。

蒼司「…あんたが俺の守る対象だと分かったのには理由がある。」

『…理由？』

蒼司「ああ。」



…何もなくて言ったわけではなかった。

まあ確かに、何もなく言っていれば、勘違いの可能性も大いにあるだろう。

だから理由があってもおかしくはない。



蒼司「あんたは、俺に触れられた。」

『…へ？』



何を言っているのだろうか。

その意を込めて彼を見つめると、彼は分かったのか静かに目を伏せながら答える。



蒼司「大体察してはいると思うが…俺は人ではない。」



すみません察してませんでした。



心の中で即ツッコミを入れながら、混乱する頭を何とか整理していく。

この人は、人間じゃない。



…この人は、人間じゃない。



…ダメだ、やはり理解不能だ。