守る理由。
『にしても…そんなに世界があったなんて…。』

蒼司「…ちなみに、この七つの世界を知らないのは、人間界と人幻界に住む人間達だけだ。」

『えええっ』

蒼司「人間以外の存在は七つの世界のことを知っている。」



…と、いうことは、



『人間って…何も知らないんですね…。』

蒼司「そう絶句するな…大昔、天神がそうさせたらしいからな…。」

『…天神様が…?』

蒼司「言い伝えによると…だが、な。」



…天神様は、何故わざわざそんなことをしたのだろうか。



蒼司「それと…人間達が恐れている妖怪…その者達が住まうのは人間界だ。」

『んえっ!?』

蒼司「何だその声は。」



…流石に驚くだろう、というかこの人に会ってからはずっと驚き通しだ。



蒼司「大体の妖怪が人として生活している…中には、大昔のように人を支配しようとしている者…人と分かり合い共に生活出来るよう望む者…多くの妖怪が存在するが。」



…そんなこと、知らなかったし…驚きの事実でしかない。

だが…妖怪達の生きづらい世の中を作ってしまったのは、紛れもなく僕達人間なのだろう。

そう思うと…何だか、心が傷んだ。


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