守る理由。
『応用編か…。』



応用編になってきたのを思いながら、次のページを開く。

ちなみに応用編と書かれているわけでなく、僕が勝手に応用編と言っているだけの話だ。

高校生なのだから偶には高校生らしい言い方をしたくなる。



『…ていうか僕、もう高校通うことないかもな…。』



正直言って高校に未練があるわけでない。

…いや、強いて言うなら…というか強いて言わなくても一つだけ未練はある。



『…煌くん。』


 
煌くんは、僕にとって思ったよりも大切な存在だったらしい。

どう思われたのだろう、など未だに考えてしまう。

が、今考えた所で何にもならないことだってちゃんと分かっている。

どうしようもないその思考を放置し、ノートに向かい直す。



『…次のページは…それぞれの頂点についてか…。』



そう呟きながら、静かに読み始める。


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