守る理由。
『ていうか、何か置いてないんですか?』

蒼司「…何か作れるのか分からない。」

『あーなるほど?』



そう言いながら、冷蔵庫の中を見てみる。



『…オムライス作れるな。』

蒼司「…?」

『僕が作ります、貴方は準備…が終わったら寛いでいてください。』



そう言うと、不思議そうに首を傾げる彼。



『こう見えて、料理だけは人一倍出来るんですよ。』



何もかも平凡で普通な僕の取り柄…それが料理なのだ。

まあその料理が出来るようになった理由は言ってしまうと余り平凡ではない…掛け離れてしまうため、なるべく言いたくはないのだが。



蒼司「…だが、」

『良いじゃないですか、人の手作り料理って案外良いものですよ?』



もしや潔癖症か、と思い彼を軽く見るが…そのような気配は感じられない。



『…ダメですか?』

蒼司「…いや…それなら頼んでも良いか?」



そう言われ、思わず頬が緩んでしまう。

…人に自分の料理を食べてもらうのが、僕はとても好きなのだ。



『任せてください。』


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