守る理由。
蒼司「…あんたが良いなら、それで良い。」



それ以上は聞かない、とでも言いたげにそう言い…またオムライスを食べ始める。

きっと聞きたいことはもっと色々あるのだろう。



何故家族や友人に対し執着などがないのか。



何故親の料理の話の時、過去形にしたのか。



何故さっきから、冷たい物言いをするのか。



何故、何故、何故、



きっと思い起こせば、いくつもの疑問があるに違いない。

…それを聞かないのは、きっと彼なりの優しさで。

だから僕も…聞かないことにした。



─────…貴方は一体、“何”?



その、疑問を。



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