俺の前で泣けばいいじゃん
……な、なんだ。
よかった。
話しかけられずに済んだことにホッと胸を撫で下ろした。
心の片隅にある、残念な気持ちを隠して勉強を再開した。
(……あれ?)
机の上に折りたたまれた小さな紙がある。
なんだろ、と開けてみると、
『なにこっちみてんの、泣き虫ちゃん
真っ赤な顔して、バレバレだよ?』と。
(……なんだ、このふざけた手紙は…!)
真っ赤になんてなってないし!!
思わずアイツを見てしまった。
案の定、バチっと目が合い、私を小馬鹿にしたようにフッと笑いやがった。
(アイツはやっぱり嫌いだぁぁああ!!)