俺の前で泣けばいいじゃん

……な、なんだ。

よかった。



話しかけられずに済んだことにホッと胸を撫で下ろした。

心の片隅にある、残念な気持ちを隠して勉強を再開した。




(……あれ?)

机の上に折りたたまれた小さな紙がある。

なんだろ、と開けてみると、



『なにこっちみてんの、泣き虫ちゃん
真っ赤な顔して、バレバレだよ?』と。



(……なんだ、このふざけた手紙は…!)



真っ赤になんてなってないし!!

思わずアイツを見てしまった。




案の定、バチっと目が合い、私を小馬鹿にしたようにフッと笑いやがった。





(アイツはやっぱり嫌いだぁぁああ!!)

< 36 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop