俺の前で泣けばいいじゃん
◇
残りの授業を終えて、ようやく放課後。
(今日は、いつも以上に疲れたなぁ…)
小さなため息をこぼしながら靴箱への道を歩く。
学級委員の仕事で少し帰るのが遅くなってしまった。
教室には誰もいないが、空はまだ明るく、部活動をしている生徒たちの声が聞こえてくる。
ちなみに、私は帰宅部。
だから部活動をしている人達を、楽しそうだなと思ってみたり。
まだ5月だけど、暖かい今日。
ボーっとしながら歩いていると。
「おお!五十嵐!ちょうどいい所に」
この声は、担任の先生。
………捕まった。