俺の前で泣けばいいじゃん

それを先生が呆れた目で見る。

「嘘つけお前ら。
ほんとに、五十嵐を見習え」




不意に自分の名前が出てはっと視線を前に向ける。

先生がにこにこしながらこちらを見ている。




(嫌な予感がする…)




予感よ当たるなと願っても届かず。



「今回も五十嵐が学年1位だ。
おめでとう。みんな拍手!」


パチパチ音と視線が同時に送られる。




「ありがとうございます」


私はそう言ってヘラりと笑ってみせた。

< 8 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop