俺の前で泣けばいいじゃん
それを先生が呆れた目で見る。
「嘘つけお前ら。
ほんとに、五十嵐を見習え」
不意に自分の名前が出てはっと視線を前に向ける。
先生がにこにこしながらこちらを見ている。
(嫌な予感がする…)
予感よ当たるなと願っても届かず。
「今回も五十嵐が学年1位だ。
おめでとう。みんな拍手!」
パチパチ音と視線が同時に送られる。
「ありがとうございます」
私はそう言ってヘラりと笑ってみせた。