嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編
桐生さんが叫んだ、次の瞬間。


矢神は顔面パンチをくらい、失神。


田口は蹴りを入れられ、そのまま後ろにぶっ倒れた。



「お前ら...よく聞け...」



上がった息を必死に整えながら、桐生さんは言葉を紡ぐ。



「俺にとって、命より大切なのは、藤宮羽鳥だけだ!俺は命に代えても羽鳥を守るって、4歳になったあの日に決めたんだよ!」


「うる...せえ」


「かっこ、つけんな...よ」


「そう言われるなら、俺はかっこつけない」



桐生さんは美しい姿勢をキープしたまま、物音を立てずに速やかに土下座した。



「なんだよ」


「俺は羽鳥に幸せになってもらいたい。羽鳥にずっと笑っていてほしい。だから、身を引いて下さい。森下先輩に羽鳥を任せて下さい。お願いします」


「お前、かっこわりいよ...」


「矢神、お前もだ」



矢神はよろけながらもなんとか立ち上がる。


そして、田口を強引に引っ張った。



「行くぞ」



2人はよろよろとした足取りで呆気なく去っていった。


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