嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編
「森下先輩と一緒にいる時も背後に誰かいるって分かっていたんです。おそらく、森下先輩も勘づいていたと思います。かるたで集中力はかなり養われてますから」
「だったらどうしてスプレーを取りに行ったんですか」
「あの人達がもう一度わたしを襲えば、退学処分になると思ったからです。あの人達にはなんとしてもこの学園から居なくなってもらいたかったんです」
「確かに退学にはそれなりの理由が必要です。でもわざわざ危険を冒さなくても良かったのではありませんか」
わたしがそう言うと、藤宮さんは大きく首を振った。
「矢神さんは読者モデルで、お父様は芸能事務所の社長です。完璧な証拠が無ければ、彼を屈服出来ませんでした」
「お気持ちは分かりますが、それならわたしたちにも相談してくだされば良かったのに...」
「誰も傷付けたくなかったんです。わたしのせいで、わたしの大切な人達を傷付けたくなかったんです...」
藤宮さんは、泣き出した。
涙で可愛らしい顔がぐしゃぐしゃになる。
そもそも悪いのはあの人たちなのに、どうして藤宮さんが泣かなければならないの?
おかしいよ。
おかしいよ。
おかしいよ...!
悔しい。
何も出来なかった自分が...悔しい。
「森下先輩が...助けに来てくださるって...信じていたんです...。信じて...待っていたら...彼が...彼が...現れたんです。1番、来てほしくなかったのに、来て...来て...しまった...。そして...怪我をして......わたしのために怪我をして......大会に出られなくなった...。全部...全部全部、私のせいなんです...」
もしかして藤宮さんが桐生さんにあんな態度を取っていたのは...
桐生さんが藤宮さんを守るために怪我をするのを阻止するため......?
「あの日から......彼は1度も...1度も弓道場で練習をしていません。わたしのせいで......わたしのために犠牲になって......。彼には......本当に、本当に酷いことをしてしまいました......」
わたしは、分かった。
藤宮さんも桐生さんも、相手を思いやっているのに、それが空回りしている。
2人に足りないのは...。
「だったらどうしてスプレーを取りに行ったんですか」
「あの人達がもう一度わたしを襲えば、退学処分になると思ったからです。あの人達にはなんとしてもこの学園から居なくなってもらいたかったんです」
「確かに退学にはそれなりの理由が必要です。でもわざわざ危険を冒さなくても良かったのではありませんか」
わたしがそう言うと、藤宮さんは大きく首を振った。
「矢神さんは読者モデルで、お父様は芸能事務所の社長です。完璧な証拠が無ければ、彼を屈服出来ませんでした」
「お気持ちは分かりますが、それならわたしたちにも相談してくだされば良かったのに...」
「誰も傷付けたくなかったんです。わたしのせいで、わたしの大切な人達を傷付けたくなかったんです...」
藤宮さんは、泣き出した。
涙で可愛らしい顔がぐしゃぐしゃになる。
そもそも悪いのはあの人たちなのに、どうして藤宮さんが泣かなければならないの?
おかしいよ。
おかしいよ。
おかしいよ...!
悔しい。
何も出来なかった自分が...悔しい。
「森下先輩が...助けに来てくださるって...信じていたんです...。信じて...待っていたら...彼が...彼が...現れたんです。1番、来てほしくなかったのに、来て...来て...しまった...。そして...怪我をして......わたしのために怪我をして......大会に出られなくなった...。全部...全部全部、私のせいなんです...」
もしかして藤宮さんが桐生さんにあんな態度を取っていたのは...
桐生さんが藤宮さんを守るために怪我をするのを阻止するため......?
「あの日から......彼は1度も...1度も弓道場で練習をしていません。わたしのせいで......わたしのために犠牲になって......。彼には......本当に、本当に酷いことをしてしまいました......」
わたしは、分かった。
藤宮さんも桐生さんも、相手を思いやっているのに、それが空回りしている。
2人に足りないのは...。