嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編
「私...バカです。あんなに近くにいたのに気付かなくて...それで色んな人に迷惑をかけて、色んな人を傷付けてしまいました...」



恋とはそういうもの。


わたしも徐々に分かって来ましたが...。


でも、それでもいい。


傷付き、傷つけられ、人は成長していくんだから。



「きちんと伝えます...私の気持ちを...。卒業式が終わった後に」


「藤宮さんの周りには素敵な人ばかりですね。きっとそれは、藤宮さん自身が素敵だからですよ。園田さんもよく言いますが、自信と勇気を持ってトライしてみてください」


「分かりました。精一杯、頑張ってみます」



わたしは藤宮さんに小指を差し出した。


藤宮さんはためらいがちにわたしの小指に自分の小指を絡めた。



「約束しましょう。わたしたちは必ず幸せになるんです」


「はい。幸せになりましょう」



小指を離した後に藤宮さんが呟いた。



「瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に
逢わむとぞ 思ふ」

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