嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編
3年生の教室は2階になった。


わたしは端っこの10組。


園田さんたちは正反対の1組。


会えるって言ってもやっぱり会いづらいか...。


あっ。


見えてきた、見えてきた。


あそこか、わたしの教室は。


これから1年、またよろしゅうございます。



「おはようございます」



視線がわたしに一心に注がれた。


なんですか、その目は。


挨拶は大切なんですよ。


しない方がルール違反じゃありません?



「おはよ、星名」



ずじょっ!


あ、あ、あ、あ...青柳くん!


そっか、同じクラスか。


しかも青柳だから、教室の前ドアに1番近い席。



「あっと、えっと...おはようございます」


「何回言うんだよ。1回で良いだろ?」


「す...すみません」



わたしが俯くと、青柳くんが下から顔を覗き込んできた。


ぶびょっ。


だから、止めてください。


朝から失神しちゃいますって。



「星名はあそこだ。教卓の真ん前」


「ぎゃっ!本当ですか?!」


「見てみろよ、黒板に座席表貼ってあるから」



青柳くんに連れられて見に行くと、確かにわたしの名前は教卓の真ん前にあった。



「いやぁ、参りました。まさか、こんなことになるとは...」


「早く座った方がいい。あと1分で授業始まる」


「はい...分かりました」



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