嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編
渋々座ると後ろも両隣も男性ばかりだった。


そっか、理系クラスだもん、男性の方が多いよね。


わたしがレアな存在なんだ。



「ホームルーム始めるぞ!」



そして入って来たのも、男性教諭。


たしかこの人、化学の先生だ。


ガリレオ並みに素早く化学式やら、数式やらを書いては知識をひけらかす人だ。


厄介な人が担任になっちゃったよ。



「3年10組担任の萩山です。1年間よろしく。で、早速なんだが、出席を取る。1番から順に呼ぶから、手を挙げて大きな声で返事をしてくれ。では...1番から。青柳波琉」


「はい」


「もっと元気に!」


「はいっ」


「そうだ、それだよ、それ!」



わたしは心の中でくすっと笑った。


最初っからやり直しってどういうことですか。


あなたこそ、しっかりして下さい。



「んじゃ、次は...天沢銀河!」



その名前が呼ばれた時、クラス中でざわざわが起こった。



「ね、あの銀河じゃない?」


「Geniusのでしょ?」


「マジで?」



銀河?


Genius?


一体なんのこっちゃ。



「困ったな...。初日から休みか。仕方ない!次行くぞ。内山響!」



ざわざわが収まらぬ中、わたしの名前も呼ばれ、大声で返事をすると、回りからは驚かれたが、先生からはとても誉められた。


星名湖杜、今年も全身全霊で学園を再生し、盛り上げて行きます!


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