嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編
長い先生の話が終わった。


あとは起立して礼をしたら終わり。


その後は始業式で、午後からは入学式。


わたしたちは午前中で帰れる。


やったー!


と、浮かれていたら、ドアががらがらと開いた。


ひぇっ!


ふ...ふ...不審者?!



「遅れてすみません!2番の天沢です!」


「おい遅刻だぞ!もっと早く来い!」


「すみませんでした...」



天沢と呼ばれた彼は必死に頭を下げた後、空いていた青柳くんの後ろの席に座った。



「皆知っているみたいだから話は早い。天沢は芸能活動をしている。今年から導入された単位制の学生として迎えた」


「なんで単位制の生徒がうちのクラスに配属されたんでしょうか。甚だ疑問です」



銀縁眼鏡のいかにも賢そうな男子生徒がごもっともな質問をする。



「3年で単位制の生徒は天沢含め5人しかいない。それで皆をバラバラのクラスに配置し、登校した時にすぐに全日制のクラスメートに質問出来るようにした。登校は最低月に1回。単位制の生徒はレポート提出をしてテストを受け、単位習得になる。皆がそれを助けてほしい」


「行事とかはどうするのでしょうか?」


「予定が無ければ体育祭や文化祭もこのクラスの一員として参加してもらうつもりだ」


「分かりました。ありがとうございます」



なんか、厄介なことに巻き込まれちゃった感じする。


嵐を自ら呼んできちゃう女だから仕方ないようにも思えるけれど。



「ってことで、ホームルームは終わりにします。次は始業式なので、番号順に廊下に1列に並べ」



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