嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編
オレ達はレストハウスの食堂の一角で向かい合って座っていた。
赤星はホットコーヒーを実にかっこよく飲んでいたが、オレは何も飲む気にも食べる気にもならなかった。
呆然と前だけを見ていた。
「波琉くん大丈夫?起きてる?」
「一応起きてる。正直、布団に潜って一生出てきたくないくらい心は病んでるけど」
赤星はまたコーヒーを口に含んだ。
苦味で心の痛みを誤魔化しているのかもしれない。
お互いに辛い状況にあるのは確かだった。
赤星も切り出し辛いと思うから、オレから質問した。
1番知りたかったことを...。
「色々情報が押し寄せてきて全く整理出来てないんだけど...。えっと...その...つまり...一條さんは星名と姉妹ってこと?」
赤星は黙って頷いた。
「俺が勘づいたのはもう数ヵ月も前だが、断言されたのはついこの間だ。文化祭が終わって美湖がいじめの聴取をされた後に彼女から言われた。証拠は消したけど、いじめたのは確かだって...。しかも、朱比香と真砂さんと3人で、それぞれが抱いていたものをことちゃんにぶつけたんだ」
オレはもう、何も言えなかった。
全てが自分のせいだと思った。
こんなオレと仲良くしたことで、
こんなオレに優しくしたことで、
星名は傷ついた。
今のオレの何倍も傷ついたんだ。
黙ったオレの代わりに赤星が話し出す。
「俺、ことちゃんにフラれたんだ」
「えっ...」
「そもそもことちゃんは俺のこと好きじゃなかったんだろうけど、ことちゃんは言った。お姉ちゃんには赤星くんが必要だから、お姉ちゃんを幸せにしてくださいって。あんな姉だけど、幸せになってもらいたいって。それ聞いたら俺、ますます好きになっちゃって...。それがことちゃんを苦しめることになるって分かってるのに」
「赤星、もしかして...」
「おそらく君の想像通りだよ」
赤星はまだ星名のことが好きなんだ。
でもこれ以上彼女に迷惑をかけないように赤星は一條美湖と付き合うことにしたんだ。
「これで良かったんだ。好きな人の幸せを願うことこそ、その相手を本当に想ってるってことになると思うから。俺はそう思いたい...かな」
赤星の真っ直ぐな想いにオレは強く胸を打たれた。
そして自分を省みた。
オレは星名の想いを汲み取ってあげられていただろうか。
記憶を辿り、最大限に思い出してみる。
オレはたぶん自分のことしか考えていなかった。
自分が楽になるため、罪悪感を抱えないようにするために星名を助けようとしていただけだ。
星名はそんなオレの気持ちも、置かれている状況も分かった上であの日、あの時、オレに告げたんだ。
ごめんな、星名。
謝っても謝っても足りない。
それでも謝らせてほしい。
本当は直接会って謝りたいけれど今それはできないから、心の中で最大限に謝る。
星名、ごめんなさい。
赤星はホットコーヒーを実にかっこよく飲んでいたが、オレは何も飲む気にも食べる気にもならなかった。
呆然と前だけを見ていた。
「波琉くん大丈夫?起きてる?」
「一応起きてる。正直、布団に潜って一生出てきたくないくらい心は病んでるけど」
赤星はまたコーヒーを口に含んだ。
苦味で心の痛みを誤魔化しているのかもしれない。
お互いに辛い状況にあるのは確かだった。
赤星も切り出し辛いと思うから、オレから質問した。
1番知りたかったことを...。
「色々情報が押し寄せてきて全く整理出来てないんだけど...。えっと...その...つまり...一條さんは星名と姉妹ってこと?」
赤星は黙って頷いた。
「俺が勘づいたのはもう数ヵ月も前だが、断言されたのはついこの間だ。文化祭が終わって美湖がいじめの聴取をされた後に彼女から言われた。証拠は消したけど、いじめたのは確かだって...。しかも、朱比香と真砂さんと3人で、それぞれが抱いていたものをことちゃんにぶつけたんだ」
オレはもう、何も言えなかった。
全てが自分のせいだと思った。
こんなオレと仲良くしたことで、
こんなオレに優しくしたことで、
星名は傷ついた。
今のオレの何倍も傷ついたんだ。
黙ったオレの代わりに赤星が話し出す。
「俺、ことちゃんにフラれたんだ」
「えっ...」
「そもそもことちゃんは俺のこと好きじゃなかったんだろうけど、ことちゃんは言った。お姉ちゃんには赤星くんが必要だから、お姉ちゃんを幸せにしてくださいって。あんな姉だけど、幸せになってもらいたいって。それ聞いたら俺、ますます好きになっちゃって...。それがことちゃんを苦しめることになるって分かってるのに」
「赤星、もしかして...」
「おそらく君の想像通りだよ」
赤星はまだ星名のことが好きなんだ。
でもこれ以上彼女に迷惑をかけないように赤星は一條美湖と付き合うことにしたんだ。
「これで良かったんだ。好きな人の幸せを願うことこそ、その相手を本当に想ってるってことになると思うから。俺はそう思いたい...かな」
赤星の真っ直ぐな想いにオレは強く胸を打たれた。
そして自分を省みた。
オレは星名の想いを汲み取ってあげられていただろうか。
記憶を辿り、最大限に思い出してみる。
オレはたぶん自分のことしか考えていなかった。
自分が楽になるため、罪悪感を抱えないようにするために星名を助けようとしていただけだ。
星名はそんなオレの気持ちも、置かれている状況も分かった上であの日、あの時、オレに告げたんだ。
ごめんな、星名。
謝っても謝っても足りない。
それでも謝らせてほしい。
本当は直接会って謝りたいけれど今それはできないから、心の中で最大限に謝る。
星名、ごめんなさい。