嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編
長蛇の列に並び続けること、約40分。


ようやくわたしたちの番が来た。


わたしたちの数組後に微笑ましい2人が並んでいる。



「ことちゃん、早くお賽銭投げて」


「あっ、はいはい。やりますやります」



慌てて賽銭を投げ、2礼。


パンパンと手を叩いた後に目を瞑ってお願いをした。


1礼して終了。


さっさと退散した。



「あたしは欲張りだから、めっちゃお願いしちゃった。ことちゃんはどんな願い事した?」


「わたしは毎年幸せになれますようにって願ってます」


「なんか俺、聞いたことあるんすけど、夢は具体的な方が良いらしいっすよ。そっちの方が叶いやすいって」



そうなんだ...。


でも、わたしは色々あるから総じて幸せになれますようにって言っている。


ま、いいよね。


だって幸せになりたいんだもん。



「それはおいといて、羽鳥ちゃんたちはどうなってる?」



本殿を見ると、2人はちょうどお願いをしているところだった。


藤宮さんは赤を基調とした着物をお召しになっていてたくさんの人に注目されている。


手は寒さからか、それとも緊張からか震えていた。



「羽鳥ちゃん、大丈夫かな?」


「なんかヤバそう。顔面蒼白だし」



藤宮さん、もしかして今日告白するつもりかな?


緊張の度合いが半端無さすぎる。



「とりあえず様子を見ながらあたしたちも楽しもう」


「そうですね。せっかく来たんですし、楽しみましょう」


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