嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編
「波琉、やっと分かったんだ!いやあ、随分長い時間かけましたねえ」


「は?」


「あんたがことちゃんを自分から助けに行ったあの日に確定してたんだよ。普通、助けに行かんよ、好きじゃなきゃ。"助ける"じゃなくて"守る"だったんだって!」


「恥ずかしいから止めてくれ。それよりプレゼント。プレゼントは何をあげればいいんだよ」



お願いだ。


早く言ってくれ。


顔から火が出るくらい、熱いんだって。


顔洗いたいんだよ。



「好きってことはつまり、コクるってこと?」


「いやいや、今日の明日だからそれは...」


「んー、だよね。波琉は小心者だもんねえ」


「違う!オレは小心者ものなんかじゃ...」


「はいはい、落ち着いて、落ち着いてえー。ヒントはちゃんと言うから」



もったいぶってないでさっさと言ってくれよ。


さっきから願い続けてるだろ。



「恋人だったら、指輪とかネックレスでもいいんだけどな...。一応、女友だちってことだから...。う~ん、ハンカチとかお菓子とかかな?あっ、でもあたしハンカチとコスメをプレゼントしようと思ってるからハンカチは無しだな~」


「結局何がベストなんだよ」



百合野は答えない。


ここでだんまりはヤバイだろ。


休み時間おわっちまう。



「百合野どうなんだよ?」


「波琉が選んだものなら、何でもいいんじゃない?」



出た出た、よくある返答。


そんなわけないから聞いてんのに、結局これかよ。



「ただし」



百合野が小声になる。



「攻めるなら、キスのプレゼントが1番かもね」


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