嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編
そして来る1月10日。


朝から昇降口に設置された一條美湖のプレゼントボックスの周りには人集りが出来ていた。


オレはそこには目もくれず、というよりは緊張のあまり自分以外のことに集中出来なかった。


クラスの女子が最近人気急上昇中の男性アイドルの話をしていても、男子がどっかのバンドを真似て熱唱していてもうるさいとは思わなかった。


それよりもオレの鼓動の方がうるさいと感じるほどだった。


はあ...。


早く終わってくれ。


学校が終わっても、1番重要なことが終わってないじゃないか。


ああ、もう!


って、ああー!


ヤバイ、ヤバイ。


星名にラインしておくの忘れてた。


なんて送ればいいんだ。


それこそ、胸キュン告白でやった「放課後、中庭で待ってる」作戦か。


いや、でも、中庭に人けっこういるし、わりと帰らないし、色んな人に見られやすい。


しかも、星名のいじめ事件以降、学園のありとあらゆるところに防犯カメラが設置されたみたいだし、先生たちにも知られてしまうかもしれない。


それだけは避けたい。


今後の進路にも関わってくるし。


だとしたら、最善なのは...


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