ホームズの子孫は私を口説く

「もしもし。××で刺殺体が発見された！？」

事件の始まりに、グレッグソン警部が真剣な表情になる。ホームズさんとワトソン先生は椅子から立ち上がり、出かける支度を始めた。

「少し出かける。夕方には戻るから夕食の支度を頼む」

ホームズさんの言葉に、私は「任せてください」と頷く。ワトソン先生も「なるべく早く帰るからね」と微笑んだ。

ワトソン先生は、ホームズさんの助手として事件現場に行くことがある。私は残念ながらお留守番だ。危険が伴うかららしい。

「和香、この前に社員旅行に行った土産を買ってきた。よかったらもらってくれ」

グレッグソン警部とレストレード警部に可愛らしい箱を渡される。二人の目的はこれだったんだ……。

「ありがとうございます！」

私がそう笑うと、四人の顔が一瞬にして赤く染まった。