ホームズの子孫は私を口説く
紅茶とクッキーを用意してリビングに戻ると、みんなが真剣に何かを考えているところだった。私がお茶を入れている間に事件が起こったのかな?

「お茶、よかったらどうぞ」

そう言い警部さんにお茶を出す。「ありがとう」と二人は微笑んだ。「出さなくていいのに」とホームズさんが呟き、グレッグソン警部が睨みつける。

「みなさん、何を考えているんですか?」

私が訊ねると、ワトソン先生がさっきまで私が読んでいた小説を手にした。

「この小説の犯人が誰なのか推理していたんだ」

「いい暇つぶしになるだろ」

そう言いホームズさんはまた考え始める。私も椅子に座り、物語を思い出しながら犯人を推理する。

最初に殺されたアイリーンは、亡くなる数ヶ月前に楽屋に香水のプレゼントがあった。誰が置いたのかは不明。アイリーンは香水を気に入り、ずっとつけていた。

その後に亡くなった被害者たちも、全員アイリーンと同じ香水を持っていた。香水に毒が入っていることが判明する。容疑者は七人。
< 9 / 16 >

この作品をシェア

pagetop