嘘つき社長と天使の恋物語
リビングにやって来た悠大は、食卓に並んでいるおかずを見るとお腹がグーッと鳴った。
「ん? あれ? 何も買ってきてねぇの? 」
手ぶらで帰ってきた悠大を見て、和也が言った。
「あ・・・なんだか知らないが・・・その・・・売り切れていたんだ。それで・・・」
どこかごまかしている悠大を見て、和也はクスッと笑った。
「ふーん。そんな事あるんだ。じゃあ、今日は姉ちゃんが作ったご飯。食べるしかねぇなぁ」
食べたいと言いたい悠大だが、今までずっと食べなかった事から、上手く返事が出来なかった。
「どうぞ、こちらに座って下さい」
嶺亜が椅子を引いてくれた。
「今、ご飯つぎますね」
食器棚から悠大のお茶碗を出して、ご飯をついでくれる嶺亜。
悠大はなんとなく気恥ずかしそうに椅子に座った。
和也はチラッと悠大を見た。
「どうぞ、このくらいの量でよかったですか? ご飯」
嶺亜が茶碗を傍に置いて尋ねると、ちょっと恥ずかしそうに悠大は頷いた。
悠大はおかずを見て、どれから食べようか迷ってしまった。
沢山おかずがあり、どれも美味しそうに見える。