嘘つき社長と天使の恋物語
「嶺亜、ちょと力抜いて。大丈夫だから」
悠大に言われると、ちょっとだけ力が抜けた嶺亜。
入り口も柔らかくなり広がったのを確認した悠大は、そのままゆっくりと入り口に入ってゆく…。
「っ…」
悠大が入って来ると、嶺亜は初めての痛みを感じてギュッと悠大の背中にしがみ付いて爪を立てていた。
「そのまま、ちゃんと掴まっているんだ。…大丈夫だから…」
グイッと奥まで入って来た悠大を感じると。
痛みは消え、嶺亜は頭が真っ白になった。
ただ感じるのは力強い悠大だけだった。
「っ…」
体の奥を通り越えて、頭のてっぺんまで伝わってくるエネルギーに言葉にはならない感動を感じた嶺亜。
心も体も満足している…。
気持ちいい…なんて心地よくて気持ちいいのだろう…。
真っ白になりそうな頭の中で、嶺亜はそう思っていた。
悠大と繋がると。
なんとなく、悠大の気持ちが伝わってくる。
長い時間ずっと1人で抱え込んでいた悠大の想いが、やっと解放された気持ちが嶺亜にも伝わってきた。
そして悠大にも、嶺亜がずっと芹那の仕打ちに耐えてきた気持ちが伝わってきた。
「嶺亜…」
悠大が嶺亜の額に額をくっつけた。
「…お前、最高…。もう、離さないからな」
額をくっつけて、悠大と嶺亜はそっと微笑み合った。
ずっと遠回りしていた悠大と嶺亜。
やっと今ここで、1つに繋がれた。
心も体も繋がって、本当に夫婦になれた…そんな気がした。
外は秋を過ぎて、もうすぐ冬の風が吹きそうなくらい冷え込んできた。
太陽はキラキラと輝いていた。