嘘つき社長と天使の恋物語
嶺亜は。
あれから案件がひと段落して、悠大が望むとおり専業主婦になり家の中の事をこなしている。
庭の花壇には綺麗なバラが咲いている。
今は赤いバラが植えてありイキイキと育っている。
嶺亜が嬉しそうに花壇の手入れをしている。
「こんにちは。今日も楽しそうね」
バラの花に話しかけている嶺亜。
「え? ううん、まだまだ、そんなに慌ていないから。…そうなの…え? そんな…だって…」
話している嶺亜が赤くなって照れている。
ピッピ。
携帯電話が鳴った。
家の中に戻り、嶺亜はリビングで携帯電話に出た。
「もしもし? 」
(嶺亜? 今日の夜は、外食しよう。駅前に18時に来てくれるか? )
「分かりました」
悠大から外食の誘いだった。
今日はちょっとだけ、おしゃれしてみようかな?
そう思って、嶺亜は部屋に戻って支度を始めた。
持っている服はそれほどオシャレな服はなく、どれもちょっと子供っぽい感じのデザインが多い嶺亜。
ワンピースも、フリフリした感じで、スカートやブラウスも可愛い系が多くて。
大人の悠大と並んでいると、ちょっと恥ずかしいと思われるのではないかと、いつも思っている。
新しい服を買おうとは思っているが、芹那の件でお金は沢山使ってしまった事から、あまりわがままは言えないと思い控えている。
数時間迷っていた嶺亜。
わりとシックな明るい青系の膝丈ワンピースを選んだ。
シックと言っても、袖は長そででふんわりしていて、丸襟に白いレースがついていて、腰には後ろ側にリボンがついている。
スカートはフンワリとしていて膝丈くらい。
やはりデザインは子供っぽい感じである。
メイクはそれほどせず、可愛いピンク系のリップをぬって。
ボブヘヤーまで伸びてきた髪は、黒いかカチューシャでとめた。
靴は黒いパンプスを履いて。
ちょっと夜は寒くなったので、コートを羽織って行く事にした。